たまにはちら裏SSでも
久々の更新で電波なことを書くとちょっとやばいと思われるかもしれませんが、そんなのお構いなしにチラシの裏的なものを書きました
病んでる?
やんでなっいー!w
いや~、今日卒業確定ですよ
大学生活短かったなぁ…
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夜になって降りだした雪が徐々に地面に積もっていくのをながめながら、Fはノートに適当な模様を書きなぐっていた。
そこは地方都市の中心街の喫茶店。
窓から通りの様子が見えるボックスシートだった。
店内に客は彼しかいない。
店主もカウンターの奥に引っ込んでいる。
静かな店内に、鉛筆がノートの上を走る音だけがただ響いている。
(これは宇宙人から俺に向けたメッセージなんだ)
Fは手元を見もしない。
時折、鉛筆の先がノートの端からテーブルに出て行ってしまったときにだけ、チラッとそれを見る。
そしてまたノートの上に鉛筆の先を戻す。
すでに彼がその行為を始めてから、二時間が経過しようとしていた。
(今日は雪だからだろうか。いつもよりも強力に電波が入ってくる)
そう思うと、鉛筆にも自然に力がはいる。
ノートはますます黒くなり、強く鉛筆が押し当てられた部分は紙が凹んで立体的になっていく。
彼は一段落つくと、鉛筆を右手で持ったまま、左手でコーヒーカップを持ち、冷めたコーヒーを飲んだ。
カップに半分ほど残っていたそれを飲み干した後、彼は店主を呼んだ。
「コーヒーをもう一杯いただこうか!」
彼は自分でもわからないうちに興奮していた。
店主にコーヒーを注文するというこういに、である。
「かしこまりました」
店主は静かにカウンターの内側に入った。
Fは本当はコーヒーが運ばれてくるまでの一部始終を目撃したいと思った。
そこに店主に対する疑いは無い。
ただ、その一部始終には、なにかすばらしいものがあるのではないかと、ふと思ったのだ。
しかし彼はそれを実行しなかった。
そこにあるすばらしいものは、店主のものであり、自分のものではないと思ったのだ。
しばらくの間、コーヒーが運ばれてくるまで、彼は手を止めたまま外を見続けた。
普段ならまだ人通りの多い時間帯にもかかわらず、白くなったそこに人影はほとんど見ることができない。
車もめったに通らない。
(まるで……)
彼はそれをなにか例えようとした。
しかしそれはできなかった。
適切な言葉も浮かばず、しかもその言葉を捜すほどの興味は、その例え探しに対しては持ち合わせていない。
「お待たせいたしました」
店主がコーヒーを持って来る。
おそらく六十を過ぎたこの老人は、孫のような年齢のFにも丁寧である。
「ありがとうございます!ここの……」
コーヒーはおいしいですね、そういいかけてFは口をつぐんだ。
店主は何事もないように立ち去っていく。
まるでカウンターとその奥だけが彼の世界のような気が、Fにはした。
そして黙ってコーヒーをすすった。
熱くも無く、ぬるくも無く飲みやすい温度だった。
しばらくその余韻に浸った後、Fは再びノートに鉛筆を走らせる。
それは先ほどと何も変わらない。
適当な模様をただノートに書きなぐる。
(なるほど……、そういうことか。しかしなにがなるほどなのだろう)
ぶつぶつと、彼は気がついていなかったが、独り言が口から漏れる。
しかしそれを聞いている者は誰一人としていない。
静かな空間に、文字通り独り言が消えていっていた。
数分後、Fは唐突に手を止めて、鉛筆を放した。
そしてコーヒーを飲んだ。
少しぬるくなっている。
(ああ、全く無意味なことをしたものだ)
彼はカップの中の黒い液体を眺めながら思った。
(電波なんて馬鹿馬鹿しい。俺は何をやっていたのだろうか)
目の前には黒くなったノートの1ページと、芯が丸くなった鉛筆が転がっている。
(はは、でも楽しかったのか。ならいいか。馬鹿馬鹿しい)
笑いながらFはノートを閉じる。
とたんにFはその場からいなくなった。
店主がカウンターの奥から現れ、テーブルに残ったカップを片付けた。
とたんにそこにあった店はなくなった。
そしてFはこれも実に馬鹿馬鹿しいと思った。
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